赤バス路線変遷

このページは、2000年から2013年にかけて大阪市交通局が運行したコミュニティバス(赤バス)の路線変遷等をまとめたものです。
※過去に頒布した「赤バスの13年」「赤バス代替交通」の内容を基に再構成したものです。

赤バス本格運行時に作られたシンボルマーク

路線変遷のまとめ

各区ごとの路線変遷をまとめました。担当営業所や運行時期をセル色で示しています。
中津(北区) 古市(城東区) 井高野(東淀川区) 酉島(此花区)
鶴町(大正区) 住之江(住之江区) 長吉(平野区) 運行なし

西淀川区 淀川区 東淀川区
(西部)
東淀川区
(東部)
此花区 福島区 北区 都島区 旭区
港区 西区 中央区 城東区 鶴見区
東成区
大正区 浪速区 天王寺区 生野区
西成区 阿倍野区 東住吉区
(北部)
平野区
(北部)
住之江区 住吉区 東住吉区
(南部)
平野区
(南部)
2000/05/20:試験運行開始
2002/01/27:本格運行開始
2005/03/27:5区で新たに運行開始
2006/03/26:大正区で運行を開始し全区運行に
2006/04/01:酉島営業所委託化による再編
2007/01/08:東淀川区東部運行開始
2008/03/30:中央区の運行を廃止
2008/06/01:西区の運行を廃止
2009/09/01:東成区の運行を廃止
2010/03/28:古市営業所廃止による再編
2010/09/01:鶴町営業所の担当新設
2011/04/01:井高野営業所の担当新設
2012/04/01:井高野営業所の担当拡大

赤バスの概略

●導入のきっかけ
需給調整撤廃・新規参入自由化(2000年改正成立、2002年施行)に先立って、バスサービスを幹線系・フィーダー系・コミュニティ系の3つに大別し、コミュニティ系としてコスト低減と道路空間の有効活用などから、小型バス路線の運行が計画されました。

●試験運行開始
2000年5月20日から「小型ノンステップバス路線」として5路線(淀川・城東・浪速・西成・平野)の試験運行が始まり、車両はオムニノーバ・マルチライダーという小型ノンステップバスが採用されました。運賃は大人・小児ともに100円で、スルッとKANSAI・敬老優待証は使用できたものの、回数券・定期券・一日乗車券等は使用できないなど、一般バスとは異なる面もありました。また、通院や買い物、行政手続きなどの移動ニーズを満たすものとして、曜日に関係なく、9~19時台に等間隔運行するダイヤとなりました。当初1年間の試験運行とされていましたが、2年目も運行が続けられ、本格運行開始へとつながっていきます。

●「赤バス」命名、本格運行へ
2002年1月27日、試験運行を踏まえ、新たに13区で運行がスタートし、愛称として公募で最多だった「赤バス」が選ばれ、バス停などにロゴマークとともに整備されました。その後、2005年3月27日には5区で、2006年3月26日には大正区でそれぞれ運行が開始され、全24区での運行となりました。

赤バスの主力車両
▲赤バスの主力車両 オムニノーバ・マルチライダー(住之江)
●路線再編と需要検証
全区へ行き渡ったわずか2年後の2008年3月末、利用者数の低迷から中央区の運行を取りやめ、初めての廃止路線となりました。市バス事業そのものの見直しの中で、2010年3月に策定された「アクションプラン」の中で、赤バス28路線中27路線が経済性も公共性も著しく低い廃止対象路線とされ、1路線についても経済性も公共性も低いとされました。
しかしながら早急に廃止することは見送られ、2010・2011年度を利用促進と需要検証を行う期間とし、2012年3月に抜本的路線再編を行うことになりました。この方針に合わせ、各区では地域調整協議会・区民説明会が行われ、2011年10月に路線再編やダイヤ改正を行い、残る半年間にキロあたり2.2人以上の乗車人員という目標値が定められました。


▲曲がり角にはこういった進む経路を示す赤い矢印が見られました。
(福島ループ 野田三丁目→野田二丁目 2009年)
●赤バス廃止
需要検証の結果、2013年3月末をもって、29路線中26路線が廃止となりました。廃止を免れた残る3路線については一般バスへの編入(200円への値上げ)が行われひとまず1年間の延命を果たしました。

2012年に投入された日野ポンチョ
▲2012年に投入された日野ポンチョ(総合医療センター)


赤バス廃止後のうごき

●各区の対応状況
廃止となった各区では、激変緩和措置としての交通手段整備が求められ、乗合バス・タクシーの運行や、福祉車両(乗客を高齢者や妊婦等一定の条件のみ許可するもの)、また区内施設の送迎バス運行への補助などの対応が行われました。2013年移行の主な変遷は以下の通りです。

市バス 市バス再編で交通空白地域を補完 市バス以外の路線バス
委託乗合バス・タクシー 利用者を限定した福祉車両 送迎バスへの経費補助 代替交通なし

西淀川区 淀川区 東淀川区
(西部)
東淀川区
(東部)
此花区 福島区 北区 都島区 旭区
港区 西区 中央区 城東区 鶴見区
東成区
大正区 浪速区 天王寺区 生野区
西成区 阿倍野区 東住吉区 平野区
(北部)
住之江区 住吉区 平野区
(南部)
2013/04/01:赤バス廃止
2013/07/01:住之江区運行開始
2014/04/01:市バス改正。福島区運行開始。阿倍野区・平野区の運行廃止
2015/04/01:福島区・西成区の運行廃止
2015/10/01:淀川区の運行廃止
2016/04/01:東淀川区(東部)・鶴見区・住之江区の運行廃止
2017/04/01:西淀川区の運行廃止

●2013年度の運行状況
東住吉区では日本城タクシーにより新たに路線バスの運行が開始されたほか、西淀川区(千里山バス)・淀川区(国際興業大阪)・都島区(京阪バス)・旭区(北港観光バス)・城東区(エムオーティ)・港区(日本交通)では各委託先による乗合バス・タクシーの運行、東淀川区(国際興業大阪)・鶴見区(エムケイ観光バス)・阿倍野区(国際興業大阪)・西成区(東豊観光)・住之江区(エムオーティ)・平野区(ふれ愛交通)では各委託先による福祉車両の運行を開始しました。
また、此花区(上方温泉一休)・大正区(大阪府済生会泉尾病院)では各施設の送迎バスへ経費補助を行い、特に此花区では春日出南方面を経由するルートに変更となりました。これにより、4・5月には旧・春日出中一丁目バス停付近、6月以降は旧・春日出南二丁目バス停付近で乗降が可能になりましたが、これは敬老パスや福祉乗車証等の所持者に限られたものでした。

港区ループバス
▲港区ループバス
●2014年度の運行状況
2014年4月1日から、都島区では市バスによる路線が事実上復活したほか、福島区が新規に福祉車両の運行を開始しました。また旭区では委託先だった北港観光バスによる路線バスとなりました。しかしながら全体的には乗合バス・タクシーの福祉車両化、また福祉車両の廃止など縮小傾向となりました。但し、廃止となった区でも市バスの再編により補完する対応が行われたところもあります。西成区では委託先が東豊観光から大和観光バスに変更されました。
<継続運行>
 東淀川区(西部)[市バス 11・11A号]
<路線再編>
 平野区(南部)[市バス16号は存続。66号は廃止して14号で補完]
 天王寺区[市バス68号は廃止し、18・22号で補完]
<路線バスへ移行>
 旭区[委託:北港観光バス→運行:北港観光バス]
 都島区[委託:京阪バス→運行:市バス57号)
<福祉車両へ移行>
 西淀川区・淀川区
<福祉車両新設>
 福島区
<福祉車両廃止>
 城東区[市バス21号で一部補完]・港区[市バス44号で一部補完]
 阿倍野区・平野区
<その他>
 此花区[送迎バスの春日出南経由終了、市バス79号で補完]
 大正区[送迎バスの経費補助終了]

●2015年度の運行状況
2015年3月末をもって福島区・西成区の、2015年9月末をもって淀川区の福祉車両がそれぞれ廃止されました。

●2016年度の運行状況
2016年3月末をもって東淀川区(東部)・鶴見区・住之江区の福祉車両が廃止されました。また、7月1日に東住吉区で運行していた路線バスが日本城タクシーから同グループ内の北港観光バス西田辺瓜破西線となりましたが、その後10月21日より減便し、11往復となりました。

●2017年度の運行状況
2017年3月末をもって西淀川区の福祉車両が廃止され、福祉車両の運行は全廃となりました。一方、天王寺区では7月1日から近鉄バスとの共同事業として、松屋町筋経由のバス路線が新設されました。
下寺町経由の近鉄バス
▲下寺町経由の近鉄バス(あべの橋)

●2018年度の運行状況
北港観光バス西田辺瓜破西線は8月6日より平日のみの運行となりました。